市川五月 「フォト・エッセイ」    第2回 『空に魅せられて』
 前回、よく聞かれる質問について書きましたが今回ももうひとつだけよく聞かれる質問について書こうと思います。私がよく聞かれるのは、「なぜ空の写真を撮ろうと思ったのですか?」ということです。
 その答えは至って単純。なぜなら「空が好きだからです」そのような質問をする人は「写真は好きだけど、何を撮ったらいいのかわからない」という人が多いようです。
 私はそんな時、とにかくいろんなものを撮ってみることをおすすめします。

「あ、いいな」と思ったものをどんどん撮ってみる。後で撮ったものを見ているうちに、自分は何が好きなのか、何に興味が惹かれるのかがわかってくるはずです。
 また、自分の得意分野もわかってくるでしょう。それらを追求して、技術を磨いていくのもいいですね。
 私は高校生の頃から空に惹かれ、以来ずっと撮り続けています。住む場所も自然と空が広く見える場所だったり、撮影するのに良い環境が近くにあったりと不思議と神様がそのような場所においてくれるようです

こちらは今住んでいるソウルの家から徒歩3分ほどの場所です。
つい最近の作品で、ソウルの魅力ともいえる大きな川、漢江(ハンガン)のすぐ近くに住んでいるのです。
 散歩コースやサイクリングコースがあって、みんな立ち止まっては写真を撮っていました。東京の家は玄関の目の前に
180度の広い空が見えるマンションでした。
 目立った大きい建物もなく、ぼーっと眺めるには最高の場所でした。窓の外を見て、キレイな空だとすぐに撮影することができたので東京とは思えないほど、本当に良い環境に住ませてもらっていたなと思います。
 また空が好きな人々との出会いもあったり、空の写真を撮り続けることで心のゆとりができたり、忙しい中でも自分の時間が持てたりと生活にも良い影響がありました。
仕事をする中ではもちろん好きなものだけを撮ることばかりではありませんが、好きがこうじて、より豊かなフォトライフを過ごせるようになると思います。


                         市川五月 Satsuki Ichikawa