スナップ写真の楽しみ方 写真家 相原正明  2010年5月

<スナップ撮影の楽しみかた>

スナップ撮影は一番簡単だけど、一番奥が深く一番写真の基本かもしれないです。たぶん皆さんも写真を始めるきっかけは、日常の「あっ!こんなとこ写真に撮れたらいいな」とか「今日の朝ご飯綺麗!」とか何気ない一瞬だったとおもいます。釣りが「ヘラブナつりに始まりヘラブナつりに終わると」言われるのと同じく、写真も「スナップに始まりスナップに終わると」言っても過言ではないと思います。
ではスナップ撮影の大事な点はというと4つあります。
1)楽しむこと 2)好奇心を持つこと 3)めんどくさがらない 4)ご挨拶

1)楽しむこと

撮るのが「やだな~~」とか、「撮る気がしないなー」なんていうときは、絶対その気持ちが写真に出ます。まさに写真は写心です。つまらなそうに撮っていたら、心のセンサーは綺麗な光、楽しい一瞬を見逃してしまいます。だから朝起きたら今日もワクワクドキドキ撮りたいなという気持ちがあればいろいろなことに目が向いてきます。これはプロでもアマチュアでも同じです。プロフォトグラファーでキャリアの長い方は皆さん写真大好きで、写真馬鹿です(笑)撮っているときが一番楽しいときと皆さん言っています。
ですからお金のためとか、本当は写真は大好きではないという写真家はいつの間にかに消えていっています。

2)好奇心を持つこと

たとえば、普段通勤やお散歩で歩いているところでも、この路地の奥に入ったら何があるのだろう?とか降りたことのない通勤通学の駅で降りたら何があるのだろう?早起きして夜明けの近所の公園に行ってみようかな?なんて少しだけ日常がら1歩踏み出したところに大きな発見や喜びがあります。僕も子供のころとなり町まで、自転車で行ったときの感動が今でもはっきり覚えています。その隣町が、隣の区、隣の県、そして北海道最終的には他の国オーストラリアとステップアップしていきました。まずは興味を持って1歩日常の中で踏み出すことです。良く僕は不動産広告の写真を撮ります。不動産広告のイメージ写真は究極のスナップです。不動産を買われる方が「この町で住みたいな!」「この駅から通勤したいな」「ここでお買い物したら楽しいだろうな」と住む方の目線でその新しい町に自分が住みたくなるような、チャームポイントを何日も何日も町を歩き回り探します。どんな小さな点でもその町の良いところ、住みたくなるところを探し見つけます(たぶん僕の風景&スナップはここで鍛えられたのだと思います)不動産は通常人生で一番高い買い物です。ですから何千万円時には何億円をこの町で払ってもいい!!と思わせるポイントを毎日好奇心で探します。

3)めんうどくさがらない

良く綺麗なシーンを見つけたのに、「あ~カメラ出すの、めんうどくさいな」「車とめるのめんどくさいな」「眠いからいいや」などと思っていませんか?でもそんなときは心のセンサーが「撮って!撮って!」と言っている時です。ものの1分か2分のことです。そこでプロとアマチュアの差もつきます。めんどくさがらずに撮ってください。そして歩いて見て下さい。
よく「1回撮ったところだからもういいや」という方がいます。でも毎回光は違いますし、回数重ねると見つけられることもあります。同じところを違う時間、違う方向から歩いてください、町は新鮮な一瞬を見せてくれます。

4)ご挨拶

僕は外国に行くとき、必ずその国の言葉で「こんにちは」と「ありがとう」を覚えていきます。スナップで人物やお店の中を撮らせてもらうとき、黙って撮ったら国によっては犯罪になりますし、そうではなくてもいやな顔されます。そうしたらとてもよい写真どころではないです。よくカメラ雑誌でスナップに大事なレンズとか、テクニックとかありますが、僕はそんなものまちがいだと思います。スナップで大事なことはご挨拶とそして笑顔です。
もしあなたが朝おきて家の前で、あるいはカフェでお友達とお茶しているときに見知らぬ外国人がいきなり、目の前に立ちバチャット写真撮ったらどんな気持ちでしょうか?楽しいですか?そんなわけはないと思います。それと同じです。
逆に片言でも日本語で「コンニチワ!」といわれニコニコしてカメラ出されたら「あーこの人写真撮りたいんだと」思うでしょう。それが一番大事なことです。そしてポートレイトの相手の表情はすべて自分の鏡です。つまらなそうな顔、無遠慮な顔をしていたら被写体の人もそうなってしまいます。いいスナップを撮るには自分もいい笑顔でいいご挨拶をすることです。
以上簡単なことですけどこの4つのことはスナップの基本です。そしてすべての写真の基本です。どうか皆さんもスナップからまず楽しく始めてください。
ではカメラを持ってください!はい!パシャリ!